納得することが全て

9.0期 堀中 葵寛(ほりなか きお)さん、東京大学理科Ⅱ類2年(インタビュー当時)

堀中さんは石川県の公立高校から一念発起し、より競争的な環境と自由な学びを求めて米国の大学を受験したという経歴があり、 また将来は分子生物学系の研究者になることを志しているそうです。そんな彼はどうして瀧本ゼミで企業分析を学ぼうと思ったのでしょうか。

瀧本ゼミとの出会い

―――単刀直入に聞きますが、堀中さんはどのような経緯で瀧本ゼミに入ろうと思ったんでしょうか?

「冒頭でも紹介して頂いた通り、高校生の時の自分はより良い環境を求めて米国の大学で学ぶことを目指していました。Harvard大学、Stanford大学、Princeton大学、Yale大学そして東京大学に出願したのですが、残念ながら合格を貰えたのは東京大学からのみでした。

家庭も全然裕福ではないので、全額免除の奨学金が利用できるような難しい大学に挑戦することになったのですが、何より当時の自分はこれらの大学が貪欲に成長していくうえでより良い環境を備えていると考えていました。」

――― というと?

「高校生の時に学校の特別なプログラムでボストンに一週間ぐらい研修に行ったんですが、そのとき交流したHarvardの学生たちに感銘を受けました。キラキラした目で夢を語り日々仲間と切磋琢磨する、そんな姿に。東京大学を含め日本の大学って基本的に学力試験による選抜が行われていて、試験の点数以外は全く評価されないことが多いじゃないですか。結果として、怠惰な学生、本気で学ぶ気概がない学生がキャンパスにあふれかえっているわけで…

(研修で訪れたHarvard大学のキャンパス、写真はワイドナー記念図書館)

それぞれ良い点悪い点はあると思いますし、今更人口に膾炙した入試制度の日米比較みたいな議論をする気はないですが、帰国してから色々調べたり人に話を聞いたりしながら色々検討して進路志望を固めました。とにかく、東大でそれと同じ濃度の体験が出来る環境を求めると結構厳しいんじゃないかなと思っていました。」

――― それで、結局東大に来ることになったと…笑

「そういうことになりますね笑

不合格通知が届いてからは、敗北感を噛みしめ一層圧倒的な成長をしてやろうという野心に火がつきました。そんな中で、自分が求めていた条 件に合いそうな環境を探していたときにビビッと来たのが瀧本ゼミでした。」

「報われないこと」の素晴らしさ

――― 具体的にどんなところが”ビビッと来た”んですか?

「とことん結果主義なところですね、『Fire制度』* とか。最高にスリリングですね。ゼミ生の採点も全く容赦がなく、ヒリヒリとした緊張感が堪りません。入ゼミ当時は企業分析なんて全然興味が無かったので、入ゼミのモチベーションのほとんどがそれでしたね。思い返せば地方で努力を重ねて最終的には海外の大学にも挑戦したぐらいですから、昔から周りの人々は自分に良い評価を与えてくれました。もちろん褒められれば嬉しいですしやる気も出ますが、もはやそれだけでは満足できない状態になっていました。特に入学当初の敗北感に満ち満ちていた自分にとっては。」
(*Fire制度:半年の間に発表で5点中4点以上の評価を得ないとゼミをクビになるという弊ゼミの制度)

――― 確かに、『人格を超越した議論』は弊ゼミの謳い文句のひとつですもんね。

「そして、発表を作る過程での努力はほとんどが無駄になります。とことん報われません。入ゼミして直ぐに、株価が上がる企業をピックするように言われ初心者なりに何とか勉強してリサーチしたんですが、持ってきた銘柄は見るも無残に燃やされてしまいました。それでもめげずにリサーチしてやっとのことで合格発表を作ることが出来ましたが、それが快感でした。」

――― 努力が報われたからですか?

「いや、むしろその逆です。全く報われない努力を初めて経験出来たのが嬉しかったんですよね。今までも報われない(と思っていた)努力は山ほどしてきたのですが、なんだかんだ周囲の友人や大人にフォローされたり褒めて貰えたりしていたわけで。でも、それだけでは駄目なんです。」

――― では、報われない努力をしろとでも言うんですか?

「いやいや、報われない努力なんてまっぴら御免です笑
努力は報われた方が良い、それは当然のことです。しかし瀧本さんも生前おっしゃっていたように、『努力が必ず報われること』はコモデティ化するから絶対にやってはいけないんです。だからこそ、『努力が報われるかどうかわからないこと』をやる必要があるんです。発表をすると駄目なところを指摘されるだけでなく、もっと注目するべき論点や他の考慮するべき要素など改善点が洗い出されます。今まで通りで何も進歩せず、同じことを繰り返していては絶対に良い発表は出来ません。また、市場の動向も日々変化していくので、良い銘柄を見つけるためにはフィードバックを取り入れた上で絶えず自分のやり方を更新し、『報われるかどうかわからないこと』に挑戦していく必要があるのです。瀧本ゼミに入って、失敗してもなんだかんだ評価される、そんな環境に身を置いていては絶対に圧倒的な成長は出来ないのだと改めて悟りました。

なぜ今、企業分析なのか

――― では、活動を通して成長したのはどのような点だと思いますか?

「そうですね、成長した部分は多岐にわたりますが、代表的なものを一つ挙げるとするなら『意思決定』の質だと思います。瀧本ゼミのキーコンセプトが『意思決定』を学ぶことにあるということは皆さんもどこかで聞いたことがあるかと思いますが、自分はゼミに入る前から個人的に『意思決定』という概念に興味がありました。というのも、米国の大学に出願するための結構ハードなエッセイがあったのですが、それを執筆する際に自分のこれまで、そしてこれからの人生における意思決定についてじっくり考える機会があったからです。日本の大学を受験する高校生って、受験勉強が忙しくて自分の人生のことを深く考える余裕なんて基本的にないですし、進路に悩んだ場合はなんだかんだ『勉強頑張ろう!』みたいな浅い的外れな結論に至ってしまい、自分が将来何をしたいのかという問題が勉強をどれだけ頑張れるかという問題にすり替えられてしまう傾向があると思うんですよね。それが極めて重要なことなのにも関わらず。」

――― 確かに、言われてみればそうかもしれませんね。

「そうなんですよ。そして瀧本ゼミの面白い所は、そういう『意思決定』を企業分析をしたうえで行う投資判断から学ぶ点だと思います。投資判断において重要な考え方の中に、リスクの概念があります。リスク社会論の文脈でも往々にして議論されている話ではありますが、リスクは目に見えるものでは無いし、都合の良いように隠蔽されている場合もあります。リスクを正しく認識できない人はまるでそれが存在しないかのように行動します。我々がやっている企業分析と投資判断は言い換えると、隠された事実を徹底的なリサーチにより明らかにし、リスクを正しく把握したうえで『意思決定』することに他ならない訳です。」

何も考えずに大学を受験する人、何も考えずに就職していく人はリスクをリスクとして認識出来ていないということになります。世間で謳われている『いい大学』という漠然とした評価を盲信し、頑張って勉強して大学に入ったものの、自分がやりたいことは別の大学でも出来る、それどころか寧ろ別の大学に入っていた方が適切だったのではないかと判明すること。就職時は誰もが羨む大企業で「安定した収入が約束されているぞ」と思いきやその会社が10年後に経営破綻してしまうこともあり得ます。就職せずに起業したりアカデミアに残って研究者になるにしても、何人たりとも『意思決定』から逃れることは出来ません。そんな我々を取り巻くリスクを正しく認識するために必要な考え方やリサーチ力を身につける上で、企業分析、投資判断、フィードバックそして実際の株価の動きを見て答え合わせが出来る株式市場は究極の教材だと言えると思います。 」

納得することが全て

――― では瀧本ゼミに入って堀中さんの意思決定のスタイルは大きく変わったのでしょうか?

「実を言うと、そうでもありません笑
今まで自分は、人生の重要な局面において自分自身の直感を信じて意思決定をしてきました。大学受験も瀧本ゼミに入ったのも、結局決め手はビビッと来たからみたいなところがあります。もちろん、(先ほどは偉そうなことを話してしまいましたが)ゼミに入るまではリスクの観点をそこまで強く意識したことはありませんでした。なんだかんだ、海外の大学を目指す過程で人生哲学を陶冶することができ、合格は叶わなかったものの東大に拾ってもらえ、瀧本ゼミという環境にめぐり逢い、やりたい研究が具体的に定まったときにその分野の世界最先端のラボが東大にあったという現状ではありますが、あくまでもそれは結果論です。大胆な意思決定の裏に存在するリスクを当時正しく理解できていたかというと正直自信がないです。瀧本ゼミで学ぶことで、先ほど述べたリスクの観点を含む『意思決定』に関する深い示唆を得ることが出来ました。ゼミに入る前と比べて数段も質が高く合理的な意思決定が出来るようになったと感じます。それでもやっぱり、リスクとリターンを考慮して行う期待値計算に基づく意思決定にはゾクゾクするものが無いんですよね。ビビッと来たものに飛びついてこそ得られるものが有る訳で。」

「ただ、瀧本ゼミで学んだことが無益だと主張している訳では決してありません。自分は何事においても納得することが全てだと思っています。だからこそ瀧本ゼミで得た示唆は、下した意思決定に納得するための武器として非常に大切なものなんです。直感を信じて挑戦して失敗したとしても、その挑戦が一体どのようなものであったか理解していれば納得することが出来ると思うんですよ。」

新入生へ向けて

――― 最後に新入生に一言お願いします

「大学には、高校とは比べ物にならないぐらい沢山のサークルや学生団体があると思います。新しいことに挑戦しようと思っている人も少なくないかと思います。そんな中でコミットするものを選ばなくてはいけない訳ですが、迷ったときはやはり自分の直感を大切にして欲しいと思います。そして瀧本ゼミにはそうやって飛び込んできてくれた皆さんを全力でサポートする準備があります。是非挑戦してみて下さい。自分の記事や新歓のプレゼンテーションが、皆さんの大学最初の大きな『意思決定』の最後の決め手になってくれれば幸いです。」

【2021年春新歓】春新歓説明会応募フォームはこちらから

瀧本ゼミはZoom上で新歓説明会を行います。本番さながらの銘柄発表とゼミ説明に加え、現役ゼミ生に直接質問できる場を設けるつもりですので奮ってご応募ください。

【2021年春新歓】エントリーシートはこちらから

なお、エントリーシートは下記のフォームよりご提出をお願いいたします。締切期限は4/16の23:59となっております 。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です