東大文Ⅱ以外が瀧本ゼミ企業分析パートに来るべき5つの理由

神田直樹さん 東京大学法学部法律プロフェッションコース3年

今回登場していただく現役ゼミ生は、瀧本ゼミ7.5期の「ンダーカ」こと神田直樹さんです。

神田さんはドイツで中高時代を過ごし、高校には行かず、塾にも行ったことがなく、孤独に東大を目指して文科Ⅰ類にトップクラスで合格するという異色の経歴の持ち主です。

そんな神田さんは、どうして瀧本ゼミで企業分析をするつもりになったのでしょうか?

――まず神田さんは秋に入ゼミの7.5期とのことですが、東大に入学した時点では瀧本ゼミに加入するつもりはなかったのですか?

「まずそもそも瀧本ゼミの存在を、もっと言えば1,2年生の時点で入れるゼミが東大にあるということを知らなかったです。なにせ前述の経歴の通り、孤独に東大に入学したので、情報にアクセスすることもままならなかったので笑

まあでも、正直4月に瀧本ゼミの存在をしっていたとしても、一切興味が湧かなかったと思いますね」

――えらく挑戦的ですね笑 それはどうしてですか?

「まず、株式投資の世界に一切興味がないからですね。なんかパソコンの前で波うってる株価を見ながらポチポチしているイメージ?そういうのは僕の性に合わないので。ずっとそんなことしてたらノイローゼになっちゃいます。なんならそんなの全然クリエイティブじゃないなあと思ってましたし。そもそも僕文1(法学部に進学するのが基本です)ですから、経済にあんま興味なかったですし。

あとは、まあせっかくキラキラの大学生活、しかもあこがれの東大生活が始まるわけですから、どんな授業でもレベルが高い友達と切磋琢磨し合って、あとは恋愛も楽しもうと、そう考えていたわけです」

――高校に行かなかった分、学校生活に対して希望と欲望がすごいですね笑

  実際入ってみてどうでしたか?

「希望と欲望は圧倒的絶望に変わりました。少なくとも、15歳から18歳まで青春などをすべて投げ打って、どころか人間とのコミュニケーションを限りなく削減してまで目指したあこがれの東大がこんなところだとは思いませんでした。愕然としました。

 多くの東大生の人生には、『意思決定』の過程が存在しない。『意思決定』とは、このゼミを立ち上げた瀧本哲史先生の最終的な興味でもあったのですが。つまり、綿密なリサーチに基づき、目標達成のために何が一番効きがいい手段で、そのために何を捨てられるか、という思考過程です。思えば、多くの東大生は「当たり前」に生きていれば自然と最高の教育を受け、東大に入るわけですから、東大に入るだけでその能力が身につくわけではないんです。

 それこそただの優秀な人のイメージ。彼らは自分が歩んできた人生とこの世の中に対して疑問や不満は特になく、マジョリティである自分らが一番素敵だと思っています。少数派として世界を敵に回すとか、正しい道を自分で探して圧勝するとか、全然考えてないと思います。

 率直に申し上げれば、私は多くの東大生があまり好きではないです。いわゆるミーハーがとても多い。実際、今の瀧本ゼミのエントリーシートにもそのような東大生は散見されます。文Ⅱだから、コンサルとして働きたいから、あの有名な瀧本ゼミに入る、っていうね。」

――ずいぶん辛辣ですね笑 そこから、どうして瀧本ゼミに入ろうと?

「それは、当時瀧本ゼミの代表をやっていた、僕の友達が勧めてくれたからです。きっと彼の目から見ても、東大に入ってどんどん僕が荒んでいくように見えたのでしょう笑

 なにやら、『ハイレベルで侃侃諤諤の議論をしていて、猛者たちが集まるが次々とクビになるゼミがある』と。まあそんなことを聞いても、僕はひねくれてますので、『すげー!!ぼくもそうなりたーい!』と思って入ったわけではなく、『なんか強いと思ってるやつらがいるらしいから全員軽く倒しにいくか』、と。そういう気持ちでした」

――実際そこから入ってみて、どう思いましたか?

「入ってからすぐに、株価が伸びる企業を何社かピックしてこいって言われて、自分なりに頑張って3社ほど持っていきました。そしたら、その発表がゼミ生みんなによって、みるも無残、ボッコボコに炎上させられ、一言も反論できずに終了しました。まだ名前もロクに覚えられてないのに、そんなボコボコにされるの!?って思ってびっくりしました」

――ショックでしたか?笑

「確かにショックではありましたが、同時にめちゃめちゃやる気に火が付きました。しばらくして、嬉しい気持ちにもなりました。大学の授業ではこんな厳しいフィードバックをされたことがなく、なあなあで論文等もアクセプトされていきました。もっといえば、人生で初めての厳しいフィードバックだったと思います。孤独な受験を耐えきった先の景色をついに垣間見た気持ちになりました。」

――なるほど、そこで覚醒して、優秀な発表を作れるようになった、と。

「いえ、そこまですんなりとはいってません笑

そこから確か8社ほどさらに発表するのですが、本当に鳴かず飛ばずで。僕をゼミに誘ってくれた友人に色々手伝ってもらいながらも、5カ月くらい、発表は全て不合格でしたね。そうこうしているうちに、同期が2人合格発表を作って、1人目は僕が昔調べたけどやめた企業、2人目に至っては、僕が4月から知ってる同級生でもあったので、本当に悔しかったです。焦りました。今にして思えば、あれが瀧本ゼミのテーマの一つでもある『ピアプレッシャー』なんだな、と」

――その悔しさと焦りの中から何が生まれましたか?

「まず、自分の視座が低いことに気づきました。今まで、同期に勝てばいいと思っていましたが、瀧本ゼミ生が真に勝つべき相手は、自分の職業人生をかけて挑んでいるプロの投資家たちであることを実感しました。合格していった2人はまさにそういう目線で挑んでいました。

傲慢なセリフだと思われるかもしれませんが、僕はおそらくこの国の中でも頭脳明晰な方だと思っています。ただ、そんな私でも、とても太刀打ちできない、全然通用しない。それはなんでかというと、易きに流れ、多数派に迎合し、最後の最後を詰めて今までの理論が破綻することを恐れていたからだと思います。

ただ、大学に入る前の人生はそうではなかったはず。なによりも、自分の人生すら少数派であることにbetできる天性の投資家だったはずです。

そう思い至った瞬間、即日僕は来週秋田に飛ぶ日帰り航空券を買っていました。そう、当時調べていた企業の、ほんの小さな小さな、最後の1ピースを埋めるためだけに。」

――なるほど、いきなり秋田にまで行ったんですね?どうでしたか?

「まず、怖かったです。自分が信じた理論が、この秋田に行って崩れてしまうのではないか、と。この時調べていた企業は、SHINPOという、焼肉を焼くための無煙ロースターを作っている企業でした。時間的にも、クビの期限が迫っている中で、おそらくラストトライになることを自分でもわかっていました。行きの飛行機では手が震えていました。

当時、自分が様々調べていて出来た仮説と、実測のデータにずれがあるような気がして、その理由を調査しに、秋田の焼肉チェーン店の社長に話を聞きに行ったのです。結果として、その社長の話を聞いているうちに、思いもよらぬような、投資家が誰も気づいていない真実が徐々に構築されていきました。

それを持ち帰り、発表したところ、ゼミ生全員満場一致で満点をつけてくださり、最高の形でFIREの回避に成功しました。実際の株価も、発表の3か月後から約2倍にまで上昇しました。このSHINPOの発表は、4月10日に皆様の前でも発表するので、お楽しみに。」

(秋田ではロースターの内部構造まで見せていただけました)

――なるほど、最後に勇気を出して、細部を詰めに行ったことこそが、差別化でありバリューであった、と。神田さんがこのゼミで生き残っている秘訣は何だと思いますか?

「瀧本ゼミは上場企業の株価について考えるという形態をとっていますが、それは手段に過ぎず、真に学ぶことは、『世の中の人間が偽だと思っていることが、実は真であると証明すること』という意思決定そのものです。それは、思い返してみると、僕自身が東大を受けるときに、高校に行かないことが合格の最短ルートであることを証明する、ということと本質的には同じであることに気づきました。そういう人生を歩んできたからでしょう。

また、私はもともと、ドイツ語や哲学、法律など様々な分野から学習しているため、ゼミ生の中でも仮説立案能力は高いという自負もあります」

――FIREを回避した後はどうでしたか?

「まず、瀧本先生が初めて僕の名前を呼んでくださったのが強烈に印象に残っています。ようやくゼミ生として認められたのかな…という気持ちになりました。また、ようやっと堂々とゼミ生とも関われるような気持になったので、ゼミのみんなを仲間だと思って色々筋トレやボドゲなどもやっていますし、恋バナすらすることもあります。また、SHINPOを大きく超える発表をして、ゼミのエースになれるよう、日々研鑽を積む決意があります。今こそ、ゼミ生全員を倒す時だと思っているので」

――そんな神田さんは、その後はゼミの運営やメンバーの採用、育成に大きく関わっていますが、何か気を付けている点はありますか?

「一番は、瀧本ゼミを最強のブートキャンプ(アメリカの軍隊の新兵訓練施設)にするという点です。要は、徹底的に学ぶ場であり、訓練だからこそ、何度も何度も死ぬ場でありたいということです。その苦労を共にした仲間だからこそ、将来色々な場で花開き、そしてそのネットワークはずっと続いていきます。だからこそ、瀧本先生も何度も言っていたように、『まあまあレベルの人は、瀧本ゼミには不要』です。」

――どういう人が瀧本ゼミに向いていると思いますか?

「僕は自身を、この瀧本ゼミにおける『トリックスター』であると位置づけています。瀧本哲史の著書『君に友だちはいらない』でも書かれているのですが、トリックスターとは、予想のつかない振る舞いにより、チームのだれもが成しえない『非連続の変化』をもたらす者のことです。僕自身がそういう存在なこともあって、そういう人が瀧本ゼミに入ってきてほしいですね。

 逆に、瀧本ゼミに応募してくる人の中で、一番マジョリティなのは、東京大学文科Ⅱ類の学生です。別にダメというわけではもちろんないのですが、彼らが瀧本ゼミに入ろうと考えた意思決定は非常に薄弱なものが多いと正直感じています。そのまま流れで、株とか勉強したいから入りに来てないか?と。今一歩、自分自身の差別化要素がなんなのかは考えてほしいですね。」

――では、東大文Ⅱ以外に積極的に来てほしいと?

「実際僕もそうですが、企業分析や株の知識や興味がないからと言って、そもそも瀧本ゼミを選択肢に入れない人も多いのですが、それは非常に勿体ないことだと思います。知識は入ってから学べばいいことですし、我々の究極的な興味は『意思決定』にあるので」

――なるほど。文Ⅱ以外の人が入ることに、どのようなメリットがあると思いますか?

「それは5個ほどメリットを述べることができます。

 1つ目は、なによりも、投資の世界は『正しい少数派』が勝つゲームであるということです。逆に、負けるのは衆愚的ミーハーです。そう考えると、専門が別にありつつも、企業分析の道に進むというのは、一つの立派な少数派になるための第一歩だと思います」

――なるほど、ゼミに入るのにも、そのような精神を持ってきてほしいと。

「2つ目は、それぞれの分野で得た知識や考え方は企業分析でも生かせるという点です。投資家は、調べる企業を取り巻くマクロの環境についても一生懸命調べるわけですが、その際、その分野に詳しいことは大幅なアドバンテージになります。それが、ほとんどの投資家が持っていないような知識であればなおさらです」

――確かに、株式市場の世界では、正しい少数派であることが重要ですから、いわゆる「オタク」気質の人も多いかもしれませんね。

(2年夏の神田さんの自習室の書籍)

「3つ目は、特に理系の方は、例えば研究をするにしても、大学で行うか企業で行うか、企業にしてもどの企業で行うかといった、様々な選択肢があると思うのですが、その際に、企業分析を通じて培った意思決定の力は、これからの将来伸びる環境に自分を導いてくれると思います。就活においても、これから先ピークアウトしていくような団体に加入してしまう『高値掴み』をしないで済むかもしれません」

――「東大生高値掴みの法則」なんていわれることありますもんね。今をトキメク有名大企業みたいなところに就職できる分、より考えないといけませんね。

「4つ目は、やはりなにより、瀧本ゼミがブートキャンプとして多様性のある場所になってほしいということです。瀧本先生も言っていましたが、ゼミを卒業した後、投資の分野でトップになる必要はありません。むしろ、ゼミが最強のネットワークであるために、様々な分野でのトップが存在することを求めています。僕自身も、将来直接的に株式市場に関わる仕事に就く可能性は低いですが、そうなった後も、このゼミで一緒に鍛え上げられた仲間は大きな財産になると思っています。ですので、企業分析や経済学に関係ない分野の人もぜひ来てほしいという願いです」

――このゼミの本質的なところはそこですもんね。

「5つ目は、今のゼミにまた大きな衝撃を加えるトリックスターに出会いたいからです。文Ⅱの人だけの応募だと、その確率は少なくなるかもしれません。そういう意味では僕はいつも『瀧本ゼミ的ではない人』を求めています。『全員倒す』という気概の人を求めています。『俺がこんなゼミ変えてやるよ』という人と一緒に闘いたいです」

――そうですね、とにかくミーハーは欲しくないですね。

ありがとうございました。それでは、最後に、記事を読んでいる皆様へ一言お願いします。

「僕は、入ゼミの時の自己紹介で『このゼミに新しい風を吹かせる存在です』なんて調子に乗ったことを書いたんですけど、それに恥じないように、必死で考え、周りから学び、努力したことで、今はようやくゼミの一員になれたという感じがします。一度大学で絶望した、そんな存在にこそ、是非入ってきてほしいです。最初の発表での炎上を楽しみにしています。

正直、春新歓のための記事のインタビューで書くような内容じゃなくて申し訳ないのですし、ピンとくる新入生も少ないのかなと思うのですが、大学に絶望した時、秋や来年の春にまたこの記事のことを思い出してくれたらいいなあと思います」

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